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取得時効
【不動産の取得時効】
先日、相続のご相談の中で、不動産の取得時効のお話となりました。
今回、ご相談者の父上が亡くなられました。
その父上が所有していた不動産について、父上のご兄弟(以下「伯父」)が以前より建物を建てて占有しており、取得時効が完成しているというものでした。
取得時効とは…
「二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する(民法162条)」
というものです。
【取得時効により不動産を取得した場合の税金等】
ご相談のケースについて詳細をお聞きすると、その他もろもろの取得時効の要件は満たしているように思われました。
件の不動産は、隣県に所在するもので、相続人のどなたも既に自分の生活があり、遠く離れたその不動産を相続したいという意思が強いわけでもないようです。
占有している伯父が取得時効を主張して所有権を移転しても構わないとのこと。
ただし、伯父は費用の問題から、所有権移転の登記をすることができないようなのです。
取得時効について所有権移転登記をすると不動産の取得者には以下の支出が発生します。
(平成22年8月現在)
1.登録免許税
不動産の価額の2%
2.不動産取得税
不動産の価額の3%
3.所得税(一時所得)
(不動産の時価-50万円)×1/2×所得税の超過累進税率(他の所得及び所得控除は考慮外)
4.司法書士、税理士に対する報酬
上記を計算すると、数百万円の支出を負担しなければならず、現状、所有権移転の登記を見送っているということでした。
【相続登記が無駄になる】
今回、父上の相続に当たり、相続税の申告と合わせて、この不動産の権利関係についても整理しておきたいとのこと。
相続人は相続税の申告までに当該不動産についても誰が相続するのか、協議の上、確定させる必要があります。
その際、登記の問題が生じます。
当該不動産を相続することとなった相続人が遺産分割に基づき当該不動産の相続登記を行っても、伯父が取得時効を主張された場合、当該不動産はご伯父のものとなります。相続人が行った相続登記にかかった費用が無駄になってしまうのです。
だからといって、登記をしないで父上名義にしておくのは権利関係が不安定なままとなり好ましくありません。
【この場合はこうなりますでは価値がない】
一度、弁護士さんに相談したところ、この場合はこうなりますと説明され、それで相談は終わってしまったそうです。
その回答は正しいのでしょうが、相談者が抱える問題の解決になっていません。
相談者の希望をできる限り尊重し、さらに言えばこうすることもできます、という解決策を法律から脱線することなく模索し実行することが私の税理士としての付加価値です。
ひとつアイディアがありますので、弁護士、司法書士と提携しながら進めていきたいと思っています。
不動産についてのご相談は、東松山市、川越市、熊谷市、さいたま市、その他埼玉県全域をカバーする相続専門の関根盛敏税理士事務所まで
先日、相続のご相談の中で、不動産の取得時効のお話となりました。
今回、ご相談者の父上が亡くなられました。
その父上が所有していた不動産について、父上のご兄弟(以下「伯父」)が以前より建物を建てて占有しており、取得時効が完成しているというものでした。
取得時効とは…
「二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する(民法162条)」
というものです。
【取得時効により不動産を取得した場合の税金等】
ご相談のケースについて詳細をお聞きすると、その他もろもろの取得時効の要件は満たしているように思われました。
件の不動産は、隣県に所在するもので、相続人のどなたも既に自分の生活があり、遠く離れたその不動産を相続したいという意思が強いわけでもないようです。
占有している伯父が取得時効を主張して所有権を移転しても構わないとのこと。
ただし、伯父は費用の問題から、所有権移転の登記をすることができないようなのです。
取得時効について所有権移転登記をすると不動産の取得者には以下の支出が発生します。
(平成22年8月現在)
1.登録免許税
不動産の価額の2%
2.不動産取得税
不動産の価額の3%
3.所得税(一時所得)
(不動産の時価-50万円)×1/2×所得税の超過累進税率(他の所得及び所得控除は考慮外)
4.司法書士、税理士に対する報酬
上記を計算すると、数百万円の支出を負担しなければならず、現状、所有権移転の登記を見送っているということでした。
【相続登記が無駄になる】
今回、父上の相続に当たり、相続税の申告と合わせて、この不動産の権利関係についても整理しておきたいとのこと。
相続人は相続税の申告までに当該不動産についても誰が相続するのか、協議の上、確定させる必要があります。
その際、登記の問題が生じます。
当該不動産を相続することとなった相続人が遺産分割に基づき当該不動産の相続登記を行っても、伯父が取得時効を主張された場合、当該不動産はご伯父のものとなります。相続人が行った相続登記にかかった費用が無駄になってしまうのです。
だからといって、登記をしないで父上名義にしておくのは権利関係が不安定なままとなり好ましくありません。
【この場合はこうなりますでは価値がない】
一度、弁護士さんに相談したところ、この場合はこうなりますと説明され、それで相談は終わってしまったそうです。
その回答は正しいのでしょうが、相談者が抱える問題の解決になっていません。
相談者の希望をできる限り尊重し、さらに言えばこうすることもできます、という解決策を法律から脱線することなく模索し実行することが私の税理士としての付加価値です。
ひとつアイディアがありますので、弁護士、司法書士と提携しながら進めていきたいと思っています。
不動産についてのご相談は、東松山市、川越市、熊谷市、さいたま市、その他埼玉県全域をカバーする相続専門の関根盛敏税理士事務所まで
投稿者 関根盛敏税理士事務所 (2010年08月09日) | PermaLink
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