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所得税と相続税の増税についての最終整理案
平成22年度 第21回 税制調査会(12月13日) 資料一覧より、個人所得課税と資産課税について最終整理案が提示されています。

ほぼ、以前からお伝えしている増税内容となっています。


【個人所得課税】

□給与収入1,500万円超の場合、給与所得控除に上限が設定されます。

□給与収入4,000万円超の法人役員の給与所得控除について、控除額の1/2を上限とする。

□給与収入2,000万円~4,000万円までの法人役員についても、控除額の3/4を上限とする等縮減

□特定支出控除の範囲の拡大と給与所得控除の1/2との比較

□勤続年数5年以下の法人役員の退職金について、1/2課税を見直す

□成年扶養控除は、障害者、65歳以上の高齢者、学生については継続、合計所得400万円以下の納税者についても継続、それ以外については扶養控除を廃止


【資産課税】

相続税

□相続税の基礎控除を以下のように見直す

 現行:「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」
 改正:「3,000万円+600万円×法定相続人の数」

□最高税率を55%に引き上げるなど税率構造を見直す

□死亡保険金の非課税限度額「500万円×法定相続人の数」について、「法定相続人の数」を「未成年者or障害者or被相続人と生計を一にしていた法定相続人の数」に変更

□未成年者控除、障害者控除について、以下のように見直す
  
 <未成年者控除>
  現行:6万円×20歳に達するまでの年数
  改正:10万円×20歳に達するまでの年数

 <障害者控除>
  現行:6万円(特別障害者12万円)×85歳に達するまでの年数
  改正:10万円(特別障害者20万円)×85歳に達するまでの年数


贈与税

□暦年贈与について、直系卑属(20歳以上)を受贈者とする贈与税の税率を引き下げる

□相続時精算課税制度について、受贈者に20歳以上の孫を追加し、贈与者の年齢要件を65歳以上から60歳以上に引き下げる




法人税率を5%引き下げるバーターですね。
所得税、相続税を増税して穴埋め。
ただし、贈与税については、若年世代への早期資産移転促進、消費拡大を狙って減税となっています。

また、相続税の連帯納付制度についても、見直しが検討されています。
連帯納付制度についてはこちらを参照

え?他の相続人の相続税も払わなきゃいけないの!?~連帯納付制度~


平成23年度の改正では、原則14.6%の延滞税に代えて、利子税4.3%にするようです。
しかし、そもそも相続税の課税体系を抜本的に改正することも検討されていまして、その際にはこの連帯納付制度の存在自体の可否も問われることになりますが、それはまた今後の検討事項とのこと。



以上、特に高額所得者、富裕層について所得税、相続税とがっちり増税となるわけですが、お金持ちって馬鹿じゃないですからねぇ。
結局、「金持ちが増税でしょーうちはそんなお給料もらってないから大丈夫よー」なんて言ってるようなリテラシーの低い層がババを引くことになるんですよ。

所得税の確定申告、相続税の申告、贈与税の申告、相談については埼玉県の関根盛敏税理士事務所まで

投稿者 関根盛敏税理士事務所 (2010年12月14日) | PermaLink

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