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相続税の税務調査　印影

相続税の税務調査でのお話です。
一般の方が相続税の税務調査に立ち会うことは人生で一回、二回あるかないかだと思います。
その税務調査でお客様が疑問に思われた点を今日は解説しておきます。

相続税の税務調査があった場合、午前中は相続関係図や被相続人の略歴を見ながら、調査官が質問をしていきます。
被相続人の職歴、趣味、嗜好、性格、交友関係、死因、遺言の有無、財産管理の状況、被相続人の被相続人（先代）からの相続財産の状況、取引銀行証券会社、相続税の納付、申告書作成状況の確認、財産の評価方法などです。

ここで一点注意事項。

相続税の納付についてです。

相続税は納税義務者である各相続人が納付しなければなりません。
当たり前のことかと思われるかもしれません。
が、相続人のうち、例えば一番財産を相続した人が代わりに他の相続人の相続税を納付してあげることがよくあります。
この場合、代わりに納付したことが贈与と認定されます。
相続税が多額であるときは贈与税も高額となります。
各相続人が相続税を納付できるように遺産分割を工夫しておく必要があるわけです。

相続税の納付について税務調査官が質問してくるのはここを確認するためです。

午後になると午前中に聞き取りした事項を参考に実際に財産の保管場所などを調べます。

このとき印鑑のチェックもします。

お客様からの質問はこの印鑑のチェックでした。

税務調査官は被相続人が使用していた印鑑の印影を収集します。
このとき、一発目は朱肉をつけて押印しません。
空押しします。
それから朱肉をつけて押印します。

なぜ？

と疑問に思われたようです。

これは、空押しすることで印影がうつるようであれば最近この印鑑を使用したのだと推測できます。
そんな印鑑があるようなら調査官はこの印鑑を利用している銀行口座等の動きをチェックしていきます。

そんなことまでするんですか！？

と驚かれるかもしれません。

相続税の税務調査は法人税等の税務調査と違い、隠していたり、漏れていたりする財産を探すことに重点がおかれます。
不動産の評価が税務調査の主たる目的となることはあまりありません。

名義預金、名義株式、名義不動産…と名義が被相続人ではないけれど実質的には被相続人の財産を探していくのが相続税の税務調査なんですね。

意図的に隠していた財産が税務調査において見つかった場合（ほとんどの場合ばれます。日本の税務調査官は優秀ですよ）、罰金としての性格がある重加算税が課されてきます。

この重加算税についてはまた今度お話しますね。

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投稿者関根盛敏税理士事務所 (2011年05月16日) ｜ PermaLink