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不動産の譲渡損益通算禁止 遡及立法も合憲
facebookページにもざっと書いたのですが。
9月22日に不動産の譲渡損益通算禁止に対する遡及立法について最高裁判決の判断が出ました。
棄却です。
最高裁2011年9月22日第一小法廷判決(wikiより)
どういうことかといいますと。
法律改正前は。
不動産を売却して譲渡損が出た場合、給与所得や事業所得、不動産所得など他の所得と相殺できる制度がありました。
この相殺することを所得税では損益通算といいます。
不動産の譲渡損を他の所得と損益通算できたのです。
ところが、平成15年12月に発表された税制改正大綱でこの不動産の譲渡損の損益通算が禁止される法案が出てきました。
ここまではまぁいいです。
問題はこの後です。
この改正の法案が国会で成立したのが翌年平成16年3月です。
で、法律が適用されるのが平成16年1月1日から。
つまり、立法時より遡って法律が適用されることになりました。
これが問題とされました。
今、法律上問題ないことが、後に作られた法律によって遡って、遡及して「それは法律違反だよ」、となってしまったのです。
憲法84条にはこうあります。
「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」
この税制改正は憲法違反ではないか?
というのが今回の争いの趣旨です。
税務当局、裁判所は12月半ばに税制大綱が発表されて期間が半月あったからその間に不動産を処分できるでしょう、3月までの譲渡を認めたら一斉に不動産の譲渡損が実現されて経済が混乱する、との理屈なのでしょうが、経済は経済、法律は法律です。
なのですが、結局最高裁は税務当局の主張を採用しました。
税務当局も最高裁もイロイロ理屈を言っていますが、なかなか苦しい言い訳です。
普通に考えたら憲法違反です。
ではなぜ最高裁がこの税務当局の主張を採用したのか。
弁護士の関根稔先生はその理由をこの改正の前年に創設された相続時精算課税制度にあると喝破しています。
例えば。
父親がバブル時に5,000万円で購入した土地が2,000万円に値下がりしている。
売るに売れなくて塩漬け状態でそのまま所有している。
父親が相続時精算課税制度を利用してこの土地を息子に贈与、息子が土地を第三者に譲渡する。
これにより息子は約3,000万円の譲渡損を計上することができ、結果、給与所得等の他の所得と通算できる。
つまり、相続時精算課税制度を利用することで、譲渡損の贈与が可能となり、節税できる・・・
これに気付いた財務省が大慌てで憲法違反という誹りを免れないような遡及立法をしたのだ、と。
国としては絶対に譲れない裁判だったわけです。
新たな視座を提供する税務・相続のキュレーター関根盛敏税理士事務所|相続税申告/不動産有効活用/資産家対策/地主対策/節税対策|
栃木県
9月22日に不動産の譲渡損益通算禁止に対する遡及立法について最高裁判決の判断が出ました。
棄却です。
最高裁2011年9月22日第一小法廷判決(wikiより)
どういうことかといいますと。
法律改正前は。
不動産を売却して譲渡損が出た場合、給与所得や事業所得、不動産所得など他の所得と相殺できる制度がありました。
この相殺することを所得税では損益通算といいます。
不動産の譲渡損を他の所得と損益通算できたのです。
ところが、平成15年12月に発表された税制改正大綱でこの不動産の譲渡損の損益通算が禁止される法案が出てきました。
ここまではまぁいいです。
問題はこの後です。
この改正の法案が国会で成立したのが翌年平成16年3月です。
で、法律が適用されるのが平成16年1月1日から。
つまり、立法時より遡って法律が適用されることになりました。
これが問題とされました。
今、法律上問題ないことが、後に作られた法律によって遡って、遡及して「それは法律違反だよ」、となってしまったのです。
憲法84条にはこうあります。
「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」
この税制改正は憲法違反ではないか?
というのが今回の争いの趣旨です。
税務当局、裁判所は12月半ばに税制大綱が発表されて期間が半月あったからその間に不動産を処分できるでしょう、3月までの譲渡を認めたら一斉に不動産の譲渡損が実現されて経済が混乱する、との理屈なのでしょうが、経済は経済、法律は法律です。
なのですが、結局最高裁は税務当局の主張を採用しました。
税務当局も最高裁もイロイロ理屈を言っていますが、なかなか苦しい言い訳です。
普通に考えたら憲法違反です。
ではなぜ最高裁がこの税務当局の主張を採用したのか。
弁護士の関根稔先生はその理由をこの改正の前年に創設された相続時精算課税制度にあると喝破しています。
例えば。
父親がバブル時に5,000万円で購入した土地が2,000万円に値下がりしている。
売るに売れなくて塩漬け状態でそのまま所有している。
父親が相続時精算課税制度を利用してこの土地を息子に贈与、息子が土地を第三者に譲渡する。
これにより息子は約3,000万円の譲渡損を計上することができ、結果、給与所得等の他の所得と通算できる。
つまり、相続時精算課税制度を利用することで、譲渡損の贈与が可能となり、節税できる・・・
これに気付いた財務省が大慌てで憲法違反という誹りを免れないような遡及立法をしたのだ、と。
国としては絶対に譲れない裁判だったわけです。
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投稿者 関根盛敏税理士事務所 (2011年10月03日) | PermaLink
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